雑記

フランスオペラが好き

こんばんは。
オペラ歌手の須藤慎吾です。
少し最近の私について書いてみたいと思います。
私自身イタリアオペラが大の好物ですが、ここ数年はフランス作品に傾倒しています。
一昨年ぐらいにオペラノートという団体名でオッフェンバック作曲「ホフマン物語」、昨年は同じくオペラノートで「デュパルク歌曲」全曲のコンサートを(1ヶ月足らずの準備期間で企画して)演奏しました。
パリでは、フランスオペラやフランス歌曲の楽譜を買い漁ったり、ドビュッシーやデュパルクの生家や墓参りにも行ったなぁ。
イタリア作品一辺倒だった私にそんなフランス作品熱が起きたのは、ドビュッシーが作曲した唯一のオペラ「ペッレアスとメリザンド」(以降PetMと略)のCDを聴いたのがキッカケでした。
オペラを好きになった頃以上に同じ作品を朝から晩まで聴いてました。
大学生の頃は大学の図書館に通い続けて、色んなオペラを手当たりしだいに聴いていたので、初めて聴いたのは学生の頃だと思うのですが、その頃は全然良さがわかりませんでした。
自分自身が成長しない限り良さがわからないものってあるんですよね。
メーテルランクの戯曲(対訳付き)を何度も何度も読み直したりもしてます。
オペラ台本と原作は全く違うものが多い中、PetMの場合はほぼ同じなんですよね。
私が愛読している岩波文庫の杉本秀太郎訳「対訳 ペレアスとメリザンド」は挿し絵も美しく、何度読んでも読み飽きない本の一つです。
しかも見開きの左が原語で右が邦訳になっていて、CD等を聞きながら読むのにぴったりなんです。
趣味のバイクでソロツーリングに行くときや、キャンプに行くとき、山に登るとき、少し荷物になるとわかっていてもバッグに忍ばせる一冊です。


対訳 ペレアスとメリザンド (岩波文庫)

そんな大好きなオペラPetMですが、残念ながら日本国内ではあまり演奏されることがありません。
私の知っている限りでは、近年でも演奏会形式もしくは少し演技がついたセミステージ形式の演奏しかされていないのではないでしょうか。
数年前にオペラシティでボルドー劇場の人たちが演奏しているのを聞きに行ったのですが、それも残念ながらセミステージでした。
演出がしっかりされたこのオペラをライブで観てみたい!
私が傾倒するきっかけになったCDはグラモフォンからでているアッバード指揮の録音ですが、歌手も最高のキャスティングで録音から舞台が見えるような演奏なのです。
縁があって数年前にパリで(このCDではペッレアス役を歌っている)フランソワ・ルルー氏にゴロー役のレッスンをしていただきました。
氏は最近はゴロー役も歌われていて、まさにスペシャリスト。夢見心地でした。
ルルー先生の話では(私がフランス語会話が苦手なのでイタリア語での会話でしたが)フランスでもペッレアスとメリザンドを演奏するのは稀で、なかなか納得の行く演奏を観ることは多くないとのこと。
先生曰く「クラウディオ(アッバード)は全てを熟知していたよ」と当時のやり取りを懐かしそうに語るルルー先生の言葉の一つ一つに興奮したのをおぼえています。


ドビュッシー:歌劇《ペレアスとメリザンド》全曲

ああ、この人があの有名なフレーズ、静寂をつくる「ジュテーム」を歌ったのか...。
ミーハーにも写真を撮ってもらいました。
また普通にパリに行けるようになったら、続きのレッスンをしてもらいたいと思います。

いつかPetMの完全なオペラをみたいなという思いは募るばかりですが、ようやく夢が叶いそうです。
来年(2022年7月)我らが新国立劇場でペレアスとメリザンドを見ることができるのです。
しかも(私は録画映像を見たことがあるだけですが)あの美しいエクサン・プロヴァンスで好評を得た舞台がそのまま見れるようなのです!
指揮は我が国が誇るマエストロ大野和士、ゴロー役があの映像で演じていた渋い演技のロラン・ナウリさんですよ!そして大好きなバス妻屋秀和さんや人気メゾソプラノ浜田理恵さん。
もうこれは観に行くしかないでしょう!
来年がもう待ち遠しい。
世の中いろいろと大変なことになっていますが、未来を楽しみに生きていかなきゃなと改めて思いました。
劇場でお会いしましょう。
結局、書いているうちに私の話じゃなくなりましたね。

それでは、良い歌を!

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