「クララとお日さま」カズオ・イシグロ

オペラ歌手の須藤慎吾です。
3月に世界同時発売されたカズオ・イシグロの(8作目で6年ぶりの新作)「クララとお日さま」を読みました。
著者がノーベル文学賞受賞後に出した長編小説というだけでなく、発売前から映画化が決まっているという話もあり(しかも脚本にドラマ「マッドメン」のダーヴィ・ウォラーを予定!)個人的にかなり期待していたのですが、これは期待以上の作品でした。

shingo
なんとも言えない読了感が魅力のイシグロ作品ですが、今作もそれが際立った名作だと感じました。

あらすじを早川書房のサイトから引用すると、

人工知能を搭載したロボットのクララは、病弱な少女ジョジーと出会い、やがて二人は友情を育んでゆく。
愛とは、知性とは、家族とは? 生きることの意味を問う感動作。

カズオ・イシグロ作品はスタニスワフ・レムとかレイ・ブラッドベリとかジェイムズ・ティプトリー・ジュニアと共通する(美しい虚構の中で語られる冷たい現実といった)世界観があると思うですが、原題の「Klara and the Sun」が持つ”SFらしさ”というか”イシグロらしい”イメージに対し、「クララとお日さま」という邦題は童話のようなイメージ。
例に出した3人のSF作家の作品につけられた邦題が秀逸なのにくらべて、今回の題名は残念ながらちょっと分かりづらかったです。
個人的には題名は(本の表紙も)オリジナルのままで良かったかも。
映画化される際は原題で興行されると良いなぁ。

小説だけでなくロックやポップスやオペラも邦題が微妙なのがありますが、逆に好きなのもあります。
個人的にオペラ「椿姫」という邦題は好きです。
曲名の”ああそは彼の人か”とか”君が微笑み”とかも好き。

それでは、良い歌を!

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